革材料は種類が豊富で耐久性があり、
使えば使うほど味の出てくる材料です。
ここでは、一枚の革材料から
必要なカタチを切り出し、手縫いで作り上げる
パスケースの制作過程を紹介します。
革の素材は牛に始まり、豚、羊、ワニなど多種多様です。また、同じ種類でも色味や風合いが異なるなど自分好みの素材を探し求めるところにも楽しさがあります。
JR総武線「浅草橋」駅周辺には革素材を取り扱うお店がたくさんあり、端切れをまとめてお徳用パックで売っている店舗もあります。是非、一度ハシゴしてみてください。
今回は手持ちの端切れを活用してシンプルなパスケースを作ることにしました。
レザークラフトの道具は無数にありますが、ものづくり工房には初心者用キットがあり、最低限必要な道具が揃っています。革を縫うことができるミシンもあります(今回は使いませんが)。今回使用した道具は以下の通りです。
その他消耗品で準備したものは次の通りです。
(画像はクリックすると拡大します)
革を切り出す輪郭を紙に描きます。
手描きでもいいですし、イラストレーターでもいいですし、パワーポイントでもいいです。実物大サイズで描かれた絵を準備します。
絵を描いた紙を、厚紙にのり付けし、輪郭に沿ってカッターで切り出します。これを使って、切り出しの位置や穴あけの位置を決めたり、材料の上に線を引いたりします。
さきほど作った型紙を革にあてながらペンをなぞり、輪郭線を描きます。
そして、輪郭線に沿って、カッターナイフで革を切れば完了です。
革の切断面を「コバ」、革の裏側を「床面(トコメン)」と呼んだりします。これらの面の仕上げ処理を行います。まずはやすりを使ってコバの角を削り、形を整えます。
コバ(革の切断面)、床面(革の裏側)の毛羽立ちを押さえ、美しく丈夫に仕上げる天然ワックスが配合された仕上げ材(トコフィニッシュ)を塗ります。
処理剤を塗った後の材料です。塗った部分の色が少し変わっています。ふちの部分を塗っていないのは、後でその部分に接着剤を塗るためです。
革を縫い合わせる前に、接着剤で革を貼り合わせます。
縫う部分に接着剤を塗り、革を重ね合わせて押し付け、接着完了です。
革に糸を通すための穴を作ります。
ゴム板を敷き、革の上から菱目打ちをあて、ハンマーで叩いて縫い穴を作っていきます。
いよいよ革を縫います。
縫うための針とロウ引き糸を用意します。
菱目打ちであけた穴に針を通し、縫い進めていきます。完成までもうすぐ。
最後に、革に金具を取り付けます。
ポンチを革にあて、ハンマーでたたいて穴をあけます。
作った穴に2つの金具をはさみこみ、固定具をあてて、ハンマーでたたきます。
金具が変形し、かみ合うまでしっかりとたたきます。
完成です!
使った道具や作業はシンプルなものですが、しっかりとした良いものができました。
一度やり方を覚えてしまえば、パスケースの他にいろいろなものが作れます。また、仕上げや色付けなど、やりこむ深さがまだまだありますので、是非みなさんも楽しんでみてはいかがでしょう?
(担当:あきひー(工房スタッフ)/2017年3月3日)
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