石を彫ってオリジナル印を作りました。
ここでは、WASEDAものづくり工房で篆刻(てんこく)をする一連の流れを紹介します。
東京メトロ新宿三丁目駅から徒歩1分のところにある「世界堂 新宿本店 ( 地図 )」は画材、造形材料、デザイン用品、設計・製図用品、コミック用品、文具などを扱う画材・文具の販売専門店です。このお店に篆刻に必要な材料や道具が売っています。篆刻に必要となる基本的な道具はものづくり工房にあるので、今回は石印材だけ購入しました。
普段使いにちょうどよいお手頃サイズの寿山石(じゅざんせき)を購入しました。初心者向けの彫りやすい石だそうです。価格もお手頃で300円(税抜)。世界堂であれば20%引きで購入できます。
ものづくり工房には共有で使える道具として、次のものがあります。
このほか次のものがあれば便利なので、持参することをおススメします。
(画像はクリックすると拡大します)
お気に入りのデザインをトレーシングペーパーに描きます。
工房の篆刻セットにある「印譜集」を参考にすることもできます。
購入した段階でずいぶん平滑ではありましたが、念のため、600番の紙やすりで平滑にしました。
トレーシングペーパーの向きに気をつけて貼り付けましょう。
小さな石材であれば特に固定して作業をした方がやりやすいと思います。
印床という篆刻用の固定治具も世の中にはありますので、自身で購入してもよいのですが、ものづくり工房にはポータブルの小さな万力があり、それでも十分代用できます。ただし、金属で挟むと破損する可能性が大きいため、必ず木を間に挟みましょう。また、強く締めすぎないように注意!
かなり強く擦りつけないと、石材にカーボンの跡が付きにくいです。シャーペンの先(芯を出さない状態)で擦ると、比較的うまくできました。シャーペンの先だと細かいデザインもやりやすいですね。
カーボン転写の仕上がりは薄いので、油性ペンを使ってなぞり直すとよいです。
手鏡で写してみると、最終形が分かりやすいです。
ものづくり工房には共有ツールとして平頭刀と斜刀と2種類あります。太さは複数あります。
削りやすい石印材を選んだとしても自然の産物なので、固さにバラつきがあります。基本的なことではありますが、刀の先に手を置かないこと、無理に大きな力を掛けないこと、など安全を考えながら行動しましょう。
削りかすをキレイにするには、歯ブラシがおススメです。これも準備するとよいですよ。
ある程度削ったところで、お試しの押印をしてみましょう。削り残しをキレイにすれば完成です!
はい。完成です。
硬くて削り取れなかった部分や勢いあまって削りすぎた部分も味として残っています。今回の一連の作業(準備や片付け、掃除も含む)に要した時間は約2時間でした。
手紙に押してもよし。陶芸や絵画、習字の落款として使ってよし。
石の材質や質感なども種々あり、選ぶところから楽しめます。
みなさんも使い勝手のあるオリジナル印を作ってみませんか?
(担当:かき(工房スタッフ)/2017年2月24日)